虚言ノート

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10/28 近況 

 私が勤めている会社(以下弊社)ではレストランを運営しているのですが、余りにも人手が足りないため世間の潮流に沿ってとうとう中国人の研修生を放り込む事態に陥りました。

 やって来た中国人は三名(全員女)、全員めちゃくちゃ勤務態度が悪く社員食堂代わりにレストランを利用する我々の間でもすこぶる評判が良くありませんでした。

 ただ私の場合は持ち前のキャラクター、モンゴル人に間違えられる大陸顔と大学で学んだ中国語(一回落とした)を駆使することでめちゃくちゃフレンドリーに接してもらうことに成功しました。(「対不起」「辛苦了」「謝謝」の三つしか基本的に使ってなかった。)

 特に仲良くなったのは黄さん(仮名)、彼女は弊社のボスだろうが役職者だろうがお構い無く悪態をつきまくり、男性社員全員に求婚する(日本の永住権がほしいから)などかなり三人の中でも素行に問題がある人物でした。私ももちろん求婚されましたし、年末の忘年会でメイド服着させられたときはめちゃくちゃ笑われました。

 ただやはり素行に問題あるとのことなので三人まとめて雇用期間終了とともに母国に三ヶ月前強制送還されました。

 

 

 そしてつい一週間前、総務の主任(ゲロほど性格が悪い)から黄さんの訃報を聞きました。中国に帰ったあと交通事故にあったとのことでした。

 

 私は本当にちょっと軽口ただけだったのですが 彼女たちがもう少し日本に適合することができれば、もう少し人当たりがよければとどうしようもない仮定が浮かびましたが無力感に苛まれるだけでかえって悲しくなりました。

 袖摺り合うのも多生の縁といいますがまたどこか違う形で黄さん(仮名)と巡り合うことができればと思い、毎日生きていこうと思いました。